PERFECTION

例えばゴルフを見てみよう。プロゴルファーは新しい方法を学び、できるだけ遠くにボールを飛ばそうとしているにもかかわらず、最も基本的な打ち方を毎日訓練している。数十年プレーした後でも、プロゴルファーがクラブの握り方を指1本変えるだけで、大きな上達につながることがある。 

他のスポーツについては（私は研究段階なので何とも言えないが）、バレーボールでは、セットや試合の終了間際に単純なタッチができないことがほとんどであることを、多くのレベル、多くのケースで目の当たりにしてきた。選手たちが十分に（あるいは適切に）練習していないか、どうプレーすればいいのかまったくわかっていないのだ。いい選手は、どう打てばポイントを取れるか、エースを取れるか、ブロックを決められるか、セットを決められるか......そういうことを知っているものだが、ミドルブロッカーは24時23分、味方のディフェンスの後にボールをセットできるだろうか？...セッターは、攻撃している選手のために完璧なボールを連続してセットできるだろうか？ブロックに飛び込むだけでなく、試合中2時間ブロック上の戦術に従うことができるか？厳しい得点の場面で、選手がコーチの指示したゾーンにボールを出すことができるか？

より高いレベルに到達するために選手ができることのひとつは、個々のプレー技術の習得は始まりに過ぎず、目標とする「目的地」ではないことを理解することだ。打ち方を知ったからといって、いいバッターになれるわけではない。ある試合でセッティングがうまくても、その選手がセッターとして優れているとは限らない。試合中に8回ブロックをしたからといって、その選手がブロックの名手であるとは限らない。 また、相手に8回打たれたことを意味する場合もある。

ペルージャ（イタリア）での最初の2シーズン、私は多くのバレーボールのスター選手と出会ったが、そのうちのひとりがダミアーノ・ピッピだった。当時、私はまだキャリアをスタートさせたばかりで、彼にとっては一緒に過ごしたシーズンがキャリア最後のシーズンだった。私が曲がった指にテーピングをしている間、彼はすでにストレッチ、ランニング、トレーニング、そして練習前の技術練習を最大限の集中力で行っていた。 私は自問した......なぜ彼はそうするのか？彼は、単純なこと、日常的な動き、そして集中力の高い練習をしていた。 数シーズン連続で、彼は最高のレシーバーとしてリーグのMVPに輝いた（ゴラン・ブイェビッチと世界最高のパス・ペアを形成していた。）朝3時に彼を起こし、私の最強のサービスを与えたら、彼は完璧なパスを出すに違いない......そして彼は毎日毎日、練習に次ぐ練習で、シンプルな動き、完璧なアンダーハンドパスを練習し、すべてのタッチが正確で、最大限の集中力をもっていた。練習前にいかに正確に練習していたか、そして練習中も同じように練習していたか、それは試合中にそのような状況が起こることを知っていたからである。キャリアの最後の日まで、彼は筋トレやスピードだけでなく、テクニックや集中力......とりわけバレーボールの最も基本的なパスについて、自分自身を鍛え上げた。

個々のプレー技術を習得するのは非常に短期間だが、試合中いつでも完璧なプレーができるようになるには何年もかかる。

MARTIN NEMEC - バレーボール・コーチ／トレーナー